by Rainbow School
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田中泯さんの肉体から
ETV特集で『人を動かす絵 田中泯 画家ベーコンを踊る』という番組があったので、興味深く観ました。いやー凄いです。田中泯さんのかっこ良さに圧倒されました。おしゃれだし、生き方もステキだし、英語も難なく操るし、なにより感覚のアンテナが異常に深くて鋭い。

1945年生まれだそうです。だとすれば68歳になるのでしょうか。それで、素っ裸で踊るわけですよね。その内側から沸き上がるエネルギーは凄い。年齢というものを超えているわけですよ。そりゃ、農業をやったり、心身を鍛えたりという、普段の節制があって成り立っていると思うんですが、若いフリをしないということは重要だと思います。

若さへの固執は醜いです。どんなに若さを取り繕っても、日々死に向かって歩んでいることは否定できないことであり、若さに固執すると、齢を重ねれば重ねるほど、そのギャップが大きくなっていってしまいます。つまり、若さを失ってゆく「悩み」が増々大きくなるということです。

これは、心の成熟とはほど遠い。だから、その行為や、考え方は、生きるものとして醜いのです。通販番組やインターネット広告や雑誌には、これで「あなたも若くなれる!」という吹き込みが、それこそ雨後の筍のように並んでいますが、そんなものに心を動かされることはバカげています。

その思想に共鳴するということは、表面上の肉体の「若さ」にしか、人間には価値が無いと、自分に言い聞かせることになってしまいます。繰り返し、繰り返し、そうした言い聞かせを自分にしていく結果、正常な成熟が阻まれ、中身が未熟なまま、外見だけは年寄りという醜い人間になってしまうのです。

ヘルマン・ヘッセは、若い時分の大変な精神的な苦悩の果てに、成熟していくことの楽しみ、喜びをエッセイで説きました。そのような成熟こそ、齢を重ねて行く価値であり、若者にも響くものがあるのです。