by Rainbow School
<< October 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 現代栄養学のデタラメ | main | 誠実であるということ >>
忘れ去られた『マクガバン・レポート』
日本の国民医療費は、昭和35年以降、毎年1兆円ペースの増加を続け、現在では40兆円に迫ろうとしています。年間の税収は50兆円前後しかないのにこれですから、いかに巨額でかつアンバランスなものであるかが解ると思います。ここでハッキリ言えることは、今の政治は医療費を削減することに、全く関心がないということです。

国民の健康と財産を守るのが国家の一つの仕事であるはずなのに、実際には病人を増やし続けているのが今の医療行政です。もし本当に「健康」が実現できているのなら、医療費は減少していなければおかしいではありませんか。しかし「健康不安」を餌に、誤った思想をどんどん吹き込んだ結果、健康どころか、病人がうなぎ登りに増えているのです。

1960年代のアメリカは、国民一人当たりの医療費が世界第一位で、平均寿命も26番目でした。このままでは国家財政が破綻すると危機感を抱いた当時の政府は、上院に栄養問題の特別委員会を設け、食と健康に関する世界規模の調査を行いました。この調査結果は、1977年に5000ページに及ぶ、通称『マクガバン・レポート』として発表され物議を醸しました。

なぜかと言いますと、アメリカ人に多い死因のうち、ガンや心臓病など6つの病気が「食生活」に大きく関連していることを指摘していたからです。そして報告書は、肉、卵、乳製品、砂糖などの摂取を控えて、穀物中心の食事に転換するよう提言していました。

これは当然ながら、指摘された関係団体の猛烈な非難を浴び、結局『マクガバン・レポート』は、葬り去られる運命に終わってしまったのです。一方、この『マクガバン・レポート』で高く評価されていたのが「日本食」でした。以来「日本食」は、世界中で、ヘルシーフードとして今も高く評価されています。

ところが肝心の日本人は、それとは逆行するように、アメリカナイズされた不健康な食習慣をどんどん取り入れて来ました。いまスーパーマーケットに行きますと、どこもベーカリーを主力のコーナーとしています。お米の消費量は年々減り続け、パン食に切り替わっているのです。小さい子に「何が食べたいか」と訊くと、ポテトとハンバーガーと答えます。

「日本食」は、それほど危機的な状況です。イタリア人が、ファストフードを拒否し自国の食文化を守ろうとしている態度と比べると、なぜこれほどの差がついたのかと思います。一つ考えられるのは、イタリア人は大家族主義で「mammaの味」に誇りを持っているという点。ところが日本人は、核家族化によって、調理技術の伝承が途絶えてしまったんですね。

パン食になっていくのも、ご飯を炊くということが、もう面倒くさくてできない。しかしパンはどこでも買えるし、そのまま置いといても腐らない。すると、おかずがパンに合わせたものになっていくわけです。一方の汁も、出汁の取り方すら解らない。出汁を取らないわけですから、水の料理である「和食」は、もはや絶滅と言っていい状況です。

毎日のことなのに、健康体をつくるための基本であるはずなのに、どうしてこれほどまでに「食」を破壊して平気なのかが、私には理解できません。それでいて健康食品にはやたらと関心がある。おかしいとは思いませんか?