by Rainbow School
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旬を食べよう
私の母親は、決して贅沢はしませんでしたが「食い道楽」で、うまいものは何かをよく知っていました。日本海側なので、鱈の煮付けをよく食べさせられたのですが、子供には「骨の少ないところを上げるね」と言って尻尾の方を食べさせ、自分はチャッカリいちばんうまい頭のところをおいしそうに食べていました。

その母親の口癖が、「ああ、これで七十五日生き延びた」。これは、「初物食えば七十五日生き延びる」の諺を言ったものですが、季節の旬のものを食べた時には、必ずそう言っていました。なぜ七十五日かについては諸説ありますが、「人の噂も七十五日」と同じく、それくらい経てば次に移っていくということだと思います。

「旬」の「勹」は、日をぐるっと回る回転を表していることから、季節の巡りが「旬」ということです。この「旬」をいただくということが、生命体にとっては重要なんですね。今はハウス栽培で、冬でも夏野菜が出回っているわけですが、あれはあんまりよろしくない。

「夏」と「冬」の字にはどちらも「久」があります。これは時が長いという意味で、「夏」は一ノ日が長いと書く。「冬」の「冫」は「冷」を表していますから、寒気が長いということ。ですから、夏には陽をいっぱい浴びた地上の物がよく、冬は寒気を避けた地中の根菜類を食べると良いのです。

また「春」は、桑の葉が日に当たって伸びた字、「秋」は「禾(いね)」の借り入れが終わり暖房が欲しくなる頃です。ですから、春先は新芽の息吹をいただくと力が漲ってくる。ワカメ(若芽)と筍の椀はその代表です。秋は、収穫の時期ですから、その恵みを存分に味わうのです。

これらのことは、人類が何十万年も生きてきて、体に覚えこませた自然の摂理ですから、みな理に適っているのです。春には春の物を、おいしくいただきましょう。