by Rainbow School
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日本人が、外人から和食を習う日
昨年の夏、親戚の家に行ったときのことです。奥さんが夕食を出してくださった。その家には10年ほど前にもお邪魔したことがあったのですが、そのとき初めてアシタバを食べた。私が「おしいしい」と言うと、「そう、じゃあもっと出すね」と言って、裏の畑から摘んできてサッと茹でて出してくれました。

そのときの印象が強くて、他にも食卓には何品もの料理が並び、私の頭の中には奥さんは料理上手という思い込みがすっかり出来上がっていたのでした。しかし今回は印象が違った。何かがおかしい。丸茄子の煮付けを食べてみたのですが、私にはその味の成分がなんなのか分かりませんでした。

そこで訊いてみた。「これの出しは何を使っているんですか?」
すると、驚くべき答えが返ってきた。「ううん、使ってないの」
びっくり仰天している私に、奥さんが続けて言った。「出し入り醤油の、いいのがあるんですテ」
そのとき初めて、世の中に「出し入り醤油」というものがあることを知ったのです。

東京に帰ってきてスーパーに行くと、「出し入り醤油」なるものが特売コーナーに山盛りにされていることにやっと気がつきました。たぶん今までにもあったのでしょうが、全く目に入っていなかったのです。

あの料理上手だった奥さんを変えさせてしまったものは、何だったのでしょうか? それほど「出し入り醤油」は魅力的な商品なのでしょうか?

一度「出し入り醤油」を使ったレピシを覚えてしまったら、次からは「出し入り醤油」がなければ料理ができなくなってしまいます。出しと調味料との関係が解らないから、バリエーションも味付けの変化も利きません。出し入り味噌、なんとかソース、なんとかの素、すべて同じです。

これでは我が家の味ではなくて調味料メーカーの味になってしまう。お袋の味ではなくて袋の味になってしまう。それが果たして豊かさなのでしょうか? 私には、添加物だらけで、不健康で、不味くて、喜びのない食事に、なぜ人々が惹かれていくのかがサッパリ解らないのです。

出しをまがいものに変えるということは、イタリア人がオリーブオイルとニンニクとトマトにまがいものを使うようになることと同じです。イタリア人はそんなことをするでしょうか? マンマの味をずっと誇りにし続けることでしょう。それがファミリアを支える、いちばんの素だということをちゃんと知っているから。

それなのに、日本人は、おマンマの味をアッサリ捨てたのです。こんな国民がどこにあるでしょうか? 和食が世界文化遺産に登録されたことや、健康食だということから、欧米の人々の和食に対する関心が高まっています。このままだと、日本人が、外人から和食を習う日も近いです。

1月22日から、永山公民館で「いろはクッキング教室」を開催します。
今さら聞けない和食のいろはを、楽しくお伝えします。
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