by Rainbow School
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グルメガイド考
大磯方面に出掛ける用事があり、それだけではもったいないので、かねてから行きたいと思っていた、藤沢の老舗の居酒屋に立ち寄りました。5時開店と同時に入ったのですが既に予約客で満席で、空いたら携帯に電話して貰ういう約束で待ちました。1時間45分待って、やっと入れました。

店名は書きませんが、今日日これだけの店はなかなかないと思います。なぜかというと、先ず第一に古い。新しい店は作れますが、古い店はどうやっても新しく作れないのです。それを作ろうとすると、昨今ありがちな「昭和レトロ風」という、まがい物になってしまうわけです。

最近は、深〜く反省して、呑んべいをもうやめたのですが、先月は古くからの友人と浅草の老舗居酒屋に行きました。(えっ、反省してない? ごもっとも)そこで二人で、インターネットの「各種の《飲食店ナビ》ってのは、ありゃいかんね」という話になりました。

12月に、長野からの帰り道、ちと足を伸ばして松本で一杯やって帰ろうかと、インターネットで居酒屋を検索したのです。すると、なんとそれらのサイトの上位は、ぜーんぶチェーン居酒屋なのでした。「何これ?」と思いました。どうして松本まで足を伸ばして、全国チェーン居酒屋に入らなきゃならないのさ?

検索画面には「松本で居酒屋を探すならここ!」なんて表示されているけれど、この地名に、別の地名を入れたとしても、結果はどこもぜーんぶ同じチェーン店の名前が並ぶ。いったいこれってどういうこと? ガイドブックの意味ないじゃん。ガイドブックがチェーン店にハイジャックされちゃってるよ。ひどいよね。

私が行きたそうな個人店は、5ページくらい捲らなきゃ出てこない。それに輪をかけてひどいと思うのは、☆何点という点数評価の仕組み。これは一見、客観性を持っているように見せているけれど、各人が5点満点で印象評価したものの平均値を出しているだけ。評価基準はそれぞれの勝手な印象なんですから、その平均値に果たして意味があるのかどうか?

たとえば、私が「この古さはなかなか得がたい」と感心して5点をつけたとしましょう。ところがBさんは「古臭い店だ」と断じて1点をつける。そうすると、その平均点は3点です。それを今度はCさんが見る。Cさんは店の雰囲気などどうでもよくて、味だけにしか関心がない。そういうCさんは、その3点を味の評価だと思い込んでしまうでしょう。

私が気の毒だと思うのは、昨日行った藤沢の名店も、点数評価はわずか3点台なのです。いい店というものはどういうものかも知らない、チェーン店しか行ったことのない、食体験もほとんどない人たちが、めいめい「点数評価」なるものを下すから、まれにみる名店であっても、チェーン店より低い評価になっちゃっている。

そういう人たちにとって、古い店は単に古臭い店にしか見えなくて、何がどう面白いのか、良いのか、さっぱり分からないんだね。料理をお出ししている人たちが、どれほど精魂込めてやっているかなどお構いなしに、「はい、ここは☆2つ」なんて、よくそんなこと出来るなと私は思います。

自分がお店側の立場だったら、きっと悲しくなると思う。意味のないイージーな点数評価などはやめるべきです。貶すのは快感かも知れないけれど、「評価」ではなくて「応援」をしてあげて欲しいと思う。